誘電エラストマーアクチュエータ(DEA)は電圧をかけると,柔らかい素材の両面に塗ってある電極が引っ張り合い、その間を押しつぶして変形します(見た目上、電極部分の表面積が大きくなったり小さくなったりしてみえる)。
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材料
- エラストマーシート(Acrylic elastomer, VHB4910J by 3M)
- 型紙 (PET with release treatment of silicon, デザインは手順に説明されています)
- ステンシルシート(マスキングシートとして利用)
- POM製リング (POM ring, inner diameter : 80mm, outer diameter : 100mm, thickness : 10mm)
- カーボン粉 (Black Pearl 2000 by Cabot)
- アルミテープ
- ゴム手袋
道具
- 高圧電源(~5.5kV)
- ペン
- カッター
- ブラシ
- スパチュラ
手順
ガイドラインを描く
絵の上にエラスマーシートをのせて,エラスマーシート上にガイドラインを粘着面に描きます.
引き延ばす
アクリルの枠にのせて,エラスマーシートを少しずつ引き延ばします.引っ張って余る部分は外枠にまとめます.
さらに伸ばす
エラスマーシート上に先程描いたガイドラインが,フレームの枠に合うまでさらに伸ばします.
切り取る
余った部分は枠に沿って切り取ります.これでフレームの完成です!
ステンシルシート
作成したフレームの中央にマスキング(ステンシル)シートをのせます.マスキングシートのデザインは以下を参考に,予め加工しておいてください.
Design of the Stencil Sheet
カーボン粉
カーボン粉をスパチュラで一回掻き出した分程度のせ,筆で均等に薄く伸ばします.
取り外す
余分なカーボン粉は捨て,マスキングシートを取り外します.
もう片方のアクリルの枠
もう片方のアクリルの枠をのせ,ひっくり返して反対側の電極を作ります.ステンシルシートを用いて,先程と同様にカーボン粉を使い,電極を作ります.この時,電極の配線部分は,反対側とは90度程度の角度をつけるように気を付けてください.
配線準備
配線の準備がこれで完了です.
配線作業
アルミテープを配線の太さに合わせて切ります.その後,切り取ったアルミテープを電極の配線に取り付けます.余ったテープは折りたたんでおきます.
電源に繋ぐ
電極と高圧電源を繋ぎます.安全のために,マイナス極が上に向くようにします.電圧は5.5kVほどに設定します.
基本原理
DEA (Dielectric elastomer actuator、誘電エラストマーアクチュエータ)は電圧をかけると,柔らかい素材の両面に塗ってある電極が引っ張り合い、その間を押しつぶして変形します(見た目上、電極部分の表面積が大きくなったり小さくなったりしてみえる)。DEAは薄いエラストマーフィルム(今回はアクリル製エラストマーシートを使用)と電極パウダーで構成され、フィルミの両サイドに違う電極が配置される。強い電圧が流れると、柔らかいエラストマーフィルムは電極同士で引っ張り合う力に押しつぶされ、形が変形する。
More Informations
- Instructor in video : Satoshi Nakamaru
Additional research (インストラクターの推薦論文と研究)
- Research paper : High-speed electrically actuated elastomers with strain greater than 100%
- Research paper : Flexible and Stretchable Electrodes for Dielectric Elastomer Actuators
- Research video : Primitive / Bending Type
- Research center : EPFL
- Art Work : Elastomeric Escapisms